自主事業の概要

1)作業船積算資料及び作業船の標準仕様等の作成

(1)海上起重作業船積算資料

 

起重機船団、杭打船団、サンドコンパクション船団、サンドドレーン船団、コンクリートミキサー船団、揚土船団等の船団代価表を昭和62年10月に作成し、平成2年9月、平成4年7月、平成5年9月、平成6年6月、平成7年6月、平成9年3月、平成10年8月に改訂配布した。

(2)コンクリートミキサー船積算資料

コンクリートミキサー船の工事見積算出の手引を平成3年1月に作成し会員に配布した。

(3)標準仕様等

起重機船、サンドコンパクション船及びサンドドレーン船の標準仕様を平成2年8月に作成し配布した。

(4)会員作業船保有台帳

会員が保有している作業船の形状寸法、能力、建造年等を調査して平成4年7月に作成し平成8年3月に改訂配布した。

2) 海上施工技術に関する主なるアンケート調査

(1)週休2日制に関するアンケート調査

作業船等により海上工事を施工している会員が、労働時間短縮に対してどのような対策が必要なのか調査し平成5年4月に取りまとめ会員に配布した。

(2)作業船にかかわる情報伝達の高度化に関するアンケート調査

会員の情報交換の現状を把握し、情報化時代に対する対策について作業船を中心に調査し平成6年6月に取りまとめ会員に配布した。

(3)作業船における快適な作業環境に関する調査

現在稼働している各種作業船を対象に、居住区、機関室、操船室等、職場環境の現状を把握、分析して平成8年3月に取りまとめ会員に配布するとともに、3K(危険、汚い、きつい)を解決する作業環境整備指針を作成して作業船の新造及び改造時の参考資料として配布した。

3)鋼橋海上(水上)仮設工事マニュアル(技術編・積算編)

本マニュアルは、(社)日本橋梁建設協会、(社)日本海上起重技術協会が共同して、検討委員会を設置し、橋梁架設工事に携わる方々の参考資料として技術編を平成4年に、積算編を平成6年1月に作成し、関係者に配布した。

 

4)非航作業船のえい航用引船馬力の計算指針

本指針は、起重機船等の非航作業舶をえい航するための引船能力を求めるため、従来から求められている方式を全面的に見直し、新しい条件等を設定して指針を作成した。なお、本指針は平成5年度に(社)日本港湾協会会長より論文賞を受賞した。

 

5)海上起重事業等の情報ネットワークに関する調査

中小・中堅建設業の情報交流に対応した情報システムを整備するにために、会員各社の情報交換の現状、会員の考え方を把握するためアンケート調査を実施し、基礎資料をとりまとめた。さらに海上起重事業等の情報システムに関する調査研究をするため、平成10年度日本財団の補助金交付申請の内容検討及び手続きを進めた。また、これと平行して、平成10年度協会にホームページを開設するための準備作業を行った。

6)海上起重事業基本問題検討調査

海上起重事業を取り巻く現状を見据え、専門企業としての経営の方向性を検討し、今後の会員企業の経営に資することを視野に入れた「海上起重事業基本問題検討委員会」(委員長:堀口孝男東京都立大学名誉教授)を平成13年8月設置した。平成13年度は当面の課題として「適正化法」の運用状況への対応方策を取りまとめ、平成13年11月以降各発注機関等関係機関への要望活動に活用した。

引き続き平成14年は会員企業経営を巡る現状を分析し、厳しい経営環境を乗り切るための方策について検討の上、9月に「海上起重事業経営の課題と対応」として取りまとめ会員経営者に情報提供した。

7)海外海上起重技術調査の実施

協会設立15周年事業として、平成14年10月26日から11月4日までの10日間、吉村会長を調査団長に協会関係者24名が参加し、スペイン、ポルトガルの2か国の港湾や海上橋梁の実施状況を調査した。その結果は平成14年1月報告書に取りまとめ会員に配布した。

8)「作業船団の運航に伴う環境保全対策マニュアル」の発行

21世紀は環境の世紀ともいわれておりますように、地球環境保全は人類共通の課題であり、公共工事の執行におきましても「安全確保」「コストの縮減」と並んで「環境保全」が重要な取り組み課題とされております。

協会はこのような時代の要請のもとに、作業船が運航することによって自ら発生する排水、廃油、排出ガス、船内発生廃棄物、振動、騒音等についての適切な対応方策について調査検討を進め、平成13年度から対応状況について、アンケート調査や難解な関係法令の整理を行い、平成15、16年度の2カ年にわたって、基礎調査を行いマニュアル(案)を作成し、平成17年度にはこのマニュアル(案)を、会員を主体に試行していただき、「編集検討会」おいて、その意見や編集過程における検討結果を基に、平成18年4月「作業船団の運航に伴う環境保全対策マニュアル」として発行した。

「本マニュアル」は、国土交通省港湾局の監修をいただき、平成18年度から国土交通省港湾局編集「港湾工事共通仕様書」第1章施工管理の環境保全事項に本マニュアルの参考使用が掲載された。

9)作業船の石綿(アスベスト)対応の検討

石綿は、作業船にも保温剤、断熱材や耐摩耗材として、かって使用されてきました。今後、作業船の老朽化に伴い修理、補修、解体などにより工事関係者への健康障害や、取り替えに至るまでの作業船乗組員への悪影響が懸念されます。

協会は(社)日本埋立浚渫協会との合同作業において、石綿の性質、作業船に使用されている石綿製品、石綿に関する法的規制、作業船の日常的な環境管理基準とその石綿対応レベルなどについて取りまとめ、その成果を平成18年4月報告書に取りまとめ、会員に配布致した。

10)海外起重技術調査の実施

協会設立20周年事業として、平成18年10月14日(土)から10月22日(日)までの9日間井上会長を調査団長に協会関係者13名が参加し、カナダ、アメリカの2カ国の港湾や海上橋梁、施設の整備方法、入札契約制度等の実施状況を調査致した。その成果は平成19年1月報告書に取りまとめ会員に配布致した。

11)作業船団安全運航指針(改訂版)

本指針(改訂版)は、近年の関係諸法令の改正に対する見直し等を行うとともに、平成18年8月に発生したクレーン船による超高圧送電線接触事故を契機に、策定した「作業船による架空送電線接触事故防止対策指針」(平成19年1月発行)を新たに盛り込んだ「作業船団安全運航指針(改訂版)」といたしました。

本指針は、「港湾工事共通仕様書」(国土交通省港湾局編集(社)日本港湾協会発行)において、請負者は本指針を参考にし、常に工事の安全に留意して事故及び災害の防止に努めることが規定されております。